親知らずを抜歯するか判断する4つの基準【治療方法も紹介】
こんにちは、大和市鶴間駅西口すぐの歯医者、石塚歯科医院 院長・石塚です。今回は親知らずについて取り上げます。
親知らずの悩み
「親知らずを抜いた方がいいですか?」というご質問を診察時によく頂きます。実際、親知らずをそのままにしていたらすごく腫れたという話を聞いたことがあるかもしれません。
一方で、親知らずを抜いた後、痛みや腫れが引かずとても大変だった、という体験談を耳にする機会があったかもしれません。
色々な話を聞く中でどうしたらいいか悩んでいる、という方向けに、今回は親知らずの抜歯についてご説明します。
今回の記事はこんな方にお勧めです
- ご自身の親知らずがどのような状態かご存じない方
- 奥歯の痛みを感じていて親知らずが生えてきているかも、と疑わしい方
- 親知らずを抜いたほうがいいのか悩んでいる方
今回の記事でわかること
- 親知らずが原因で生じやすいお口のトラブル4つ
- 親知らずを抜歯したほうがいいと判断する条件4つ
- 親知らずを抜歯しないと判断する条件2つ
- 親知らずを抜歯する手順
- 親知らずを抜歯した後に生じる典型的な症状2つ
- 親知らず抜歯後の注意点6つ
親知らずとは?
親知らずは大臼歯(大人の歯の奥歯)の3番目に萠出する歯牙で、一番奥(咽頭側)に位置します。歯科用語では智歯とも呼ばれ、永久歯の中で一番最後に成長・萌出します。10代後半から20代にかけて生えてくる、少し特殊な歯です。
親知らずは何本ありますか?
一般的には、上下顎各1本ずつ、計4本あります。しかし個人差が大きく、先天的に親知らずがない方や、4本揃わない方もいらっしゃいます。
親知らずにまつわる問題
原因
親知らずの問題の多くは、その萠出に起因するのがほとんどです。萠出場所が不足し、まっすぐ垂直に萌出せずに埋伏(全体が歯茎に埋まった状態)や傾いて萌出する症例が多くみられます。
関連するトラブル
親知らずが関連する主なトラブルは以下のようなものがあります。
- 智歯周囲炎
- 虫歯
- 歯列を圧迫する
- 親知らずがかみ合わない
上記項目について、写真を例に挙げてご説明していきましょう。
智歯周囲炎
親知らずは口の中の一番奥にあり、歯磨きが行き届かないことが多くあります。親知らずが萌出異常を起こし、加えて衛生状態が良好に保たれていないと炎症を起こしてしまいます。これが智歯周囲炎です。親知らずが萌出する20代で多く発症し、主に歯肉の腫れ、触ると痛いなどの症状が現れます。この場合は一度抗生剤で炎症をおさえて、日を改めて抜歯を行います。
虫歯
智歯周囲炎と同様に、衛生状態が良好に保たれないことが原因で虫歯に罹患する場合もあります。
更に、磨き残しが多い状態が続くと、親知らずだけでなく隣接する第二大臼歯も虫歯になり治療が必要となります。
親知らずが他の歯の衛生状態に影響を及ぼす
奥歯は食べ物を咀嚼するのに重要な役割を果たすので磨き残しがないように丁寧なケアをしなければいけません。それでも、どうしてもハブラシがとどきにくい場所や治療が難しい場所があります。その場合は抜歯することをお勧めします。
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歯列を圧迫する
横向きに生えてくる親知らずの場合は、その萌出に伴って前の歯が押され歯列に影響することがあります。このため歯列矯正をお考えの方は、親知らずの状態も考慮しなければなりません。
親知らずがかみ合わない
親知らずが咬合に関与しないで対顎の歯肉を咬んでしまう場合。
親知らずを抜いた方がいいケース
親知らずを抜歯すべきかどうかは、以下の4つの項目を総合的に判断します。
- 親知らずの萌出異常
- 他の歯に悪影響を与える
- 親知らずが虫歯や歯周病に罹患している
- 歯茎や粘膜を傷つけている
各項目についてご説明していきましょう。
親知らずの萌出異常
親知らずが少しだけ生えていたり、横に生えていてそれ以上萌出する可能性がない場合。加えて日々のケアが行き届かず虫歯に罹患する可能性が大幅に増加すると考えられる場合。
他の歯に悪影響を与える
親知らずが横(水平)に生えていて他の歯を押して痛む可能性が考えられる場合。
親知らずが虫歯や歯周病に罹患している
親知らずはその萌出位置に起因して、日々お手入れをきちんとしていても虫歯や歯周病のリスクが高くなります。更に、一度罹患してしまうと知らず知らずのうちに症状が進むことが多いため抜歯が勧められます。
歯茎や粘膜を傷つけている
斜めに萌出した親知らずによって、頬の内側の粘膜や歯肉を傷つけてしまう場合。継続的に続く場合は抜歯した方が良いでしょう。
親知らずを抜かなくてもいいケース
歯列に対して正常に萌出し、良好な口腔環境が保持されていれば、あえて抜歯をする必要はありません。というのも、抜歯は外科手術ですので少なからずリスクが発生します。
リスクと今後口腔状態がどうなるかを現在の状態から予測して、抜歯するかを見極めるのが大切です。
治療の方法
- STEP 1 問診・レントゲン撮影(CT撮影)
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親知らずやその周辺の歯牙の状態を確認するためレントゲン撮影を行います。ここで抜歯したほうがよいかを判断しお伝えします。
親知らずの根尖が下顎神経に近接している場合や埋伏状態が深い場合は抜歯した方がよいと判断し、近隣の口腔外科をご紹介します。大和市立病院では静脈内鎮静法を用いて同時に複数本の抜歯を行うこともあります。痛みに弱い方、抜歯の回数を少なくしたい方はご相談ください。
- STEP 2 抜歯
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局部麻酔をして抜歯を行います。体調を整えて手術に臨んで下さい。
- STEP 3 抜糸
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予後の確認と縫合箇所の抜糸を行うため抜歯から約1週間後にご来院下さい。
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親知らず抜歯後の症状
症状① 痛み
実際の抜歯術では麻酔が効いているので、痛みを感じることはほとんどありません。ただ、麻酔が切れてからは痛みを感じます。歯肉を切開し、歯を抜き、傷口を縫合するので痛むのは当然とも言えます。痛みを感じた時は我慢せずに痛み止めを服用することで、ある程度痛みを抑えることができます。
症状② 腫れ
腫れは術後2~3日でピークを迎えます。個人差や親知らずの状態により異なりますが、通常は徐々に腫れが引き1週間~10日後には消失します。痛み・腫れの影響で術後すぐは通常の食事を摂るのが難しいかもしれませんので、やわらかく咀嚼しやすい食事を摂るようにして下さい。
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抜歯後の注意
抜歯後の口腔内は非常にデリケートです。予後良好のために、以下の点にご注意下さい。
- 抜歯後の食事は1時間位経過してからにしてください。
- 刺激の強い食べ物や、やけどをするような熱い食べ物は一週間さけて下さい。
- 飲酒・喫煙・運動は48時間さけて下さい。
- 抜歯当日の入浴はさけてください。シャワー程度ならかまいません。
- 抜いた所を指や舌で触らないでください。抜歯した後に傷口の塞がりが悪い場合があります。
- うがい薬で抜歯窩の食物残差を取り除いてください。ただし、強くうがいをしないでください。
まずは親知らずの状態を確認
まずはご自身の親知らずがどのようになっているかを知ることが重要です。現時点で抜歯を選択しない場合でも、時間の経過と共に状況が変化し、抜歯が必要になるケースもあります。定期的に確認してご自身の歯を守りましょう。
治療をするかどうかは、まずご自身の親知らずの状態を知ってから。鶴間・大和市・大和市近隣で親知らずでお悩み中の方は是非石塚歯科医院へご相談下さい。
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