癒合歯の見分け方とケア・治療の方法
こんにちは、大和市鶴間駅西口すぐの歯医者、石塚歯科医院 院長・石塚です。今回は癒合歯について取り上げます。
癒合歯の見分け方とケア・治療の方法
歯の生え方は、個人個人で大きく異なります。実は歯の形もとても個性的です。個性的、という言葉でくくられるものと、一定の割合で発症するため個別の症状名がついているものがあります。その一つが癒合歯です。
あまり耳慣れないかもしれない名前かもしれません。
そこで今回は癒合歯について解説します。
今回の記事はこんな方にお勧めです
- お子さんの歯が癒合歯と診断された保護者の方
- 癒合歯の乳歯が生え変わるときどうなるか心配な保護者の方
- 癒合歯に治療が必要か知りたい方
今回の記事でわかること
- 癒合歯が発生するプロセス
- 癒合歯の見分け方
- 乳歯が癒合歯だと永久歯はどうなるのか?
癒合歯とは?
癒合歯という言葉をご存知ですか?
癒合歯とはその名前の通り、歯牙が癒合した状態で萌出することを指します。わかりやすく言うと、2本或いはそれ以上の歯がくっついた状態で生えてくることです。
実際の診療では2本分の歯が癒合した状態を見受けられます。
癒合歯が形成されるプロセス
癒合歯になるかどうかは、歯が萌出する前の時期から始まっています。そこでまずは歯がどのように生えるのかというプロセスを解説しましょう。
乳歯・永久歯が萌出するプロセス
乳歯と永久歯それぞれについて簡単に歯の萌出過程をご説明します。
乳歯の生える過程
- 乳歯歯胚形成
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お腹の中にいる頃(胎生7週~10週頃)から、乳歯のもととなる「歯胚」が形成されます。
- 乳歯萌出
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生後7ヶ月前後から、下の中央の歯から生えて、2歳半から3歳頃にかけて下10本、上10本生えてきますが個人差があります。
永久歯の生える過程
- 永久歯歯胚形成
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お腹の中にいる頃(胎生3ヶ月半頃)から、歯槽骨の中で永久歯のもととなる「歯胚」が形成されます。
- 永久歯萌出
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5~6才頃から乳歯が抜け永久歯が萌出し始めます。
癒合歯が発症する原因
癒合歯は、先に述べた歯のもととなる「歯胚」が何等かの原因で隣の「歯胚」と癒合し、一つの歯として形成することから発症します。しかし、詳しい原因は明らかになっていません。
癒合歯はいつ発症するの?
癒合歯は乳歯でも永久歯でも発症します。実際の診療では乳歯で発症している症例を多く見かけます。
歯科健診で見つかる場合もあります
お住いの市町村で主催する乳児歯科健診や歯科相談会などで、歯科医にお口の中を診察されたところ、指摘されたという場合もあるでしょう。
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癒合歯を見分ける方法
歯牙は時間をかけて歯茎から萌出するため、完全に生えきるまでには時間がかかります。歯牙が生えきった状態でないと、癒合歯かどうかを見分けるのは難しいかもしれません。
ここではご家庭で簡単にできる判断方法を2つご紹介しましょう。
- 歯の形状を左右で比較する
- 歯の本数を左右で比較する
歯の形状を左右で比較する
反対側の歯と比較して、歯の形状が明らかに大きい場合は癒合歯である可能性が高いです。
歯の本数を左右で比較する
歯の本数を前歯から数えてみて、数が左右で合わなければ癒合歯の可能性があります。
乳歯が癒合歯の場合、永久歯はどうなるの?
乳歯が癒合歯の場合、2つのシナリオが考えられます。
- 永久歯は癒合せず萌出する
- 永久歯が先天性欠如歯となる
これらについて詳しく解説していきましょう。
永久歯は癒合せず萌出する
乳歯が癒合歯でも、後継する永久歯の歯胚は正常に形成されれば、永久歯が癒合せず萌出してくる可能性があります。
この場合は、乳歯の癒合状態、永久歯の萌出状況と顎の成長を観察していき、矯正治療の必要があるかを判断する必要があるでしょう。
永久歯が先天性欠如歯となる
後継する永久歯の歯胚が正常に形成されなかった場合は、後継永久歯が先天性欠如歯になる可能性が高くなります。
永久歯が先天性欠如歯になると、顎の成長と共に空隙が大きくなって目立ち、審美性が損なわれることになり矯正治療を行った方がよい場合があります。
癒合歯の生え変わりの時期は要注意!
乳歯が癒合歯の場合は、通常の乳歯1本の大きさと比較すると癒合歯の大きさが大きいこともあり、永久歯への生え変わりがうまくいかないことがあります。
レントゲンで確認するのも必要
他の歯が生え変わっているのに、癒合歯は生えたままという状態の場合は、レントゲン撮影し、後継永久歯が顎の骨の中に存在しているかを確認して治療(抜歯)の是非を慎重に判断した方がよいでしょう。
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歯科医に相談を
保護者の方は、生え変わりの時期は注意を払って、歯科医師に相談され適切な処置を施されることをお勧めします。
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癒合歯を持つお子さんの保護者の方向けアドバイス
お子さんがまだ小さい頃は、保護者の方が気を配ってお子さんの歯の状態を日々観察してあげることが大切です。特に、以下の3つのポイントには特に注意していきましょう。
- 毎日のデンタルケアに気を配り、虫歯にならないようにする
- 生え変わりが正常に進んでいるかを観察する
- 定期的な歯科医院での診査を行う
毎日のデンタルケアに気を配り、虫歯にならないようにする
癒合歯は、他の歯と比較すると歯の形状がでこぼこであったり、いびつになっていることが多いです。そのため、歯ブラシを適切な角度で当てにくかったり、歯ブラシの毛先がでこぼこした部分に届きにくかったりして磨き残しが生じることがあります。
そうすると虫歯の原因になってしまいます。
タフトブラシで保護者の方が仕上げ磨きをしましょう
そんな時は、保護者の方がタフトブラシを使用して、細かく重点的に癒合歯を仕上げ磨きしてあげるとよいでしょう。タフトブラシは通常の歯ブラシよりヘッドが小さいので細かい部分も毛先が届きます。
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生え変わりが正常に進んでいるかを観察する
毎日の歯の状態をつぶさに観察できるのは保護者の方です。仕上げ磨きの際に、「異常がないかな?」という視点でお子さんのお口の中を観察しましょう。
定期的な診査
定期的な歯科医院でのクリーニングと、歯科医師による診察を行うことで、異常を早く発見し速やかに対応することも大切です。
癒合歯でも驚かずに適切な対処を
今回は癒合歯についてお伝えしました。あまり聞きなれない症状かもしれませんが、診察しているとたびたび癒合歯の方をお見受けします。
癒合歯と診断されても、不必要に驚くことはありません。その症状や年齢に応じて適切な処置をしていきましょう。
当院では定期診査を随時行っています。鶴間・大和市・大和市近隣で癒合歯をお持ちの方は是非石塚歯科医院へご相談下さい。
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