皆さんの周りで「あまり歯みがきしないけど虫歯になったことがない」という人はいませんか？
そういう方達には一定の傾向があります。
そこで、今回は虫歯になりにくい歯について解説します。

歯はエナメル質という非常に硬い組織で覆われています。これは皆さんに共通します。しかし、歯の質は個人差があります。
柔らかい歯の質の人がいれば、硬い歯の質の人もいます。エナメル質が硬い人は虫歯にかかりにくいと言えるでしょう。

最も表層に位置するエナメル質は硬い性質ですが酸に弱い特徴があります。虫歯が産生する酸だけでなく、酸性の強い食品や飲料等、エナメル質は酸による脅威にさらされています。酸への耐性が強い歯質は虫歯になりにくいでしょう。

唾液には、口腔内のpHを一定のレベルに保つ作用があります。また、歯のエナメル質を再形成する再石灰化の作用もあります。適正な量の唾液が唾液腺から分泌されるとpH保持と再石灰化の効果が高まります。

歯質は持って生まれたもので、何かをしたら変化するというものではありません。恵まれた歯質を持っている方は幸運な方です。

ブラッシング、デンタルフロスや歯間ブラシによる歯間清掃、洗口液の使用は虫歯予防の基本です。
実際、意識高くデンタルケアを実施し、虫歯ゼロを保っている方もたくさんいらっしゃいます。
持って生まれた歯質を言い訳にして日々のデンタルケアを怠っていませんか？

デンタルケアの意識が高い方は、予防の大切さをよく理解していらっしゃいます。ですから虫歯がなくても歯科医院に来院されます。
プロフェッショナルクリーニングを受け、虫歯ができていないかのチェックを定期的に行っているのです。
前回歯科医院に行ったのはいつか思いだせますか？

歯の質、口腔内の環境だけでなく毎日の食生活も虫歯に大きく関連しています。食事をダラダラと食べる習慣がある人、糖分の多い食品・飲料を摂取する機会の多い人は虫歯のリスクが高まります。逆に規則正しい食習慣、糖分の少ない食生活が身についている人は虫歯リスクが低下します。

虫歯になりやすいか、なりにくいかは歯質、唾液量や糖分の摂取量によって決まっています。生まれながら虫歯になりにくい歯を持っている人を羨ましく思うかもしれません。
でも、どんな人でも正しいデンタルケアを行っていけば虫歯を防ぐことが可能です。今日から積極的な虫歯予防を行いましょう。