浅い虫歯と深い虫歯【虫歯のなりたちを詳細解説】
こんにちは、大和市鶴間駅西口すぐの歯医者、石塚歯科医院 院長・石塚です。今回は浅い虫歯と深い虫歯について取り上げます。
浅い虫歯と深い虫歯
歯がうずく、歯が痛むなどの理由で歯医者に行ったら、虫歯と診断された方はいらっしゃいませんか?一口に虫歯と言っても、その進行状態によって治療法は異なります。歯科疾患の中で大きな割合を占める虫歯。
今回は虫歯の進行状態に焦点を当て、浅い虫歯と深い虫歯について解説します。
今回の記事はこんな方にお勧めです
- 虫歯を治療中の方
- 虫歯がどのように進行するか知りたい方
- ご自身の虫歯がどのような状態か説明を受け、もう少し知りたいとお考えの方
今回の記事でわかること
- 虫歯が進行するしくみ
- 浅い虫歯と深い虫歯の治療方法
- すぐできる虫歯の予防
虫歯のなりたち
歯科用語では虫歯はう蝕と言われています。ここではなぜ虫歯になるかを簡単にご説明しましょう。
口腔内細菌と唾液の働き
お口の中にはたくさんの細菌がおり、これらは口腔内細菌と言われています。細菌というと悪いもの、害を及ぼすものと考えがちですがそうでもありません。私たちのお口の中は、飲食の摂取や唾液の分泌により頻繁に環境の変化に曝されています。
そんな環境変化に耐えるべく、口腔内細菌と唾液は以下のような働きを持っています。
- 環境変化を正常に維持
- 外来細菌の侵入を防ぐ
虫歯になる仕組み
口腔内細菌と唾液で守られている私達のお口の中。ではなぜ虫歯が発生してしまうのでしょうか?
虫歯になる仕組みを順追って解説しましょう。
① 飲食物の摂取
様々な栄養素が含まれた飲食物が口に入ります。
② プラークの形成
食物残渣(いわゆる食べかす)が口腔内に残留します。虫歯の原因菌がこの食物残渣に付着、定着し次第に増殖していきます。この細菌の塊をプラークと言います。
③ プラークの増殖
食物残渣の残留が多ければ、口腔内にプラークが増えていきます。
④ 虫歯の原因菌が増殖
口腔衛生の悪化、唾液の質と量により、虫歯の原因菌が口腔内に増殖していきます。
⑤ 虫歯の進行
虫歯菌が増殖し、症状(エナメル質の脱灰)が進行していきます。
虫歯の進行と私達に備わった抵抗力
私達が食料を摂取した後、歯磨きをしても食物残渣が全くないという状態はほぼありません。
しかし、食物残渣が少なく潤沢な唾液により健康な口腔環境が保たれていれば、歯の表面にあるエナメル質の脱灰と再石灰化が行われます。私達が本来持つ抵抗力によって歯は守られています。
しかし口腔内の環境が悪化すると、虫歯の進行スピードが上回って、歯の防御システムが破られます。
なぜ虫歯が歯に穴をあけていくのか?
歯は骨と同じように人体の中で非常に硬い組織です。
ミイラに残る歯
3000年以上経過したエジプトのミイラも骨と歯がまるでミイラが作製された当時のように発見された、というニュースを耳にしたことがあるかもしれません。そんな硬い組織をどうやって浸食していくのでしょうか?
虫歯菌から酸が産出される
プラークに定着した虫歯菌は、酸を産出します。この酸により、硬い歯の組織を徐々に溶かしだしていくのです。
浅い・深い虫歯ってどういう意味?
歯科医院内では、虫歯の進行を表す言葉として「浅い」「深い」という形容詞がよく用いられます。これはどういうことでしょうか?
浅い虫歯とは?
言葉通り、虫歯がエナメル質と呼ばれる歯の表面に確認される状態です。
浅い虫歯の場合、自覚症状はほとんどありません。ですから歯科健診や定期診査で早期に発見される場合が多いようです。
浅い虫歯の治療
ごく初期の虫歯エナメル質では、基本的に歯を削るような治療は行いません。
当院ではトレーに泡状のフッ化物を挿入し、そのトレーを上下顎で咬んでフッ化物を歯面に塗布します。
大切なことは毎日のデンタルケアを入念に行って頂き、本来の抵抗力で歯の再石灰化を促していくことです。
なるべく歯を削らない治療
一度削った歯は、自然に修復されることはありません。つまり、タービンなどで削ってしまった部位は二度と元の形に戻らないのです。ですから、ごく初期の虫歯ではMinimal Intervention(ミニマルインターベンション)というコンセプトを踏襲し、なるべく歯を削らない治療方針を採っています。
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深い虫歯とは?
浅い虫歯とは逆に、虫歯が深く進行していることを示します。虫歯が深くなると、歯がうずくや少ししみるという軽い自覚症状から、ズキズキ痛むというはっきりとした自覚症状が伴います。虫歯の進行程度によってご自身で感じる感覚が変化します。
虫歯が深くなればなるほど痛みが強くなっていきます。
深い虫歯の治療
虫歯がどの程度の深さになっているかが治療計画を立てる上で重要となります。ある程度虫歯が進行していると、歯牙を削合せざるを得なくなります。
歯髄まで到達していない場合
まず、う蝕検知液で罹患部を染色し、病変部を識別して取り除きます。そして、虫歯が歯髄に近い場合は、歯髄を薬剤で覆います。その後、削合した部位を充填物もしくは補綴物で修復します。
歯髄まで到達している場合
虫歯が歯髄まで到達してしまうと、神経を刺激し激しい痛みが続くようになります。ここまで虫歯が進行すると根管治療が必要になります。感染した歯髄を取り除き、薬剤を詰める処置を行います。
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虫歯は放っておいても治りません
骨が折れてしまった時、単純骨折ならギブスを装着して固定し、骨が自然に癒合するのを待ちます。しかし、虫歯は自然治癒せず、放っておいても治りません。一度虫歯に罹患してしまったら、治療を行わなければ悪化するだけです。
虫歯を防ぐ方法
虫歯を防ぐ方法はとてもシンプルです。
- 食事の時間を決めてダラダラ食べない
- 食後の丁寧な歯磨き
- デンタルフロス、歯間ブラシ、洗口液によるケア
- 定期的な歯科医院での診査
これらを簡単に解説していきましょう。
食事の時間を決めてダラダラ食べない
おやつをダラダラと食べたり、食事と食事の間にちょこちょこと食べてしまうと、食物残渣が歯牙に付着する時間がどうしても長くなります。これを続けていると、プラークを形成する原因になってしまいます。時間を決めて食事を摂るようにしましょう。また、糖分の多い飲み物も虫歯の原因となります。
食後の丁寧な歯磨き
食物残渣を取り除く有効な手段は歯ブラシによるブラッシングです。前歯部と臼歯部では歯の形状も異なるので、パーツごとに適切なブラッシングを行っていきましょう。また歯並びがでこぼこしている方はタフトブラシを使用してみて下さい。
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デンタルフロス、歯間ブラシ、洗口液によるケア
デンタルケアはブラッシングと思っている方が多いかもしれませんが、ブラッシングだけでは食物残渣を取り除くことができません。歯ブラシだけでは密接している歯間の清掃は不十分です。
そこで、デンタルフロスや歯間ブラシを適宜使用し、清掃しましょう。洗口液で口腔状態を正常に保つのも有効です。
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定期的な歯科医院での診査
毎日のデンタルケアを行っていても、初期の虫歯が形成されてしまうことがあります。初期の段階で適切な処置を行えば、治療が大掛かりになることがなく歯を長く使える可能性が高まります。
歯医者は治療する場所だけでなく、異常がないかを確認し、早期に対処する場所でもあります。
当院では6か月ごとの定期診査をお勧めしています。
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虫歯の症状に応じた適切な治療・ケアが必要
今回のコラムでは虫歯の進行、浅い虫歯・深い虫歯の治療について取り上げました。虫歯の進行状況に応じた治療とケアが必要です。また、虫歯は一度罹患すると自然に治ることはありません。
当院では虫歯の進行に応じてなるべく歯を削らない治療を行っています。鶴間・大和市・大和市近隣で虫歯の治療や定期診査をご希望の方は是非石塚歯科医院へご相談下さい。
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